終電逃し散歩

 

 

 

私は昨晩電車を逃した。

 

 

 

 

親友と差しでべろべろになっていたので、

私はタクシーに乗ることも、漫画喫茶に泊まる事も適当に友達呼んで朝まで過ごすこともせず、約2時間の道のりを酔っ払いながら歩いた。

 

 

 

 

 

深夜3時頃、誰もいない道をただひたすら歩いて、歩いて、歩いた。

 

聞いたことも見たこともない地名の電柱柱を何個も通り過ぎて、ただ突っ立てるだけの信号と水の音しか聞こえない街をひたすら歩く。

 

世界中私だけになったみたいって浸ってたけど、工事してるおじさんに帰り道に気をつけてねって言われて我に戻った。

 

 

なんだかとってもやるせない。

いろんなことを考えながら歩いた。

 

 

 

 

あえてマップは見なかった。

iPhoneの地図さえ見れば、私が今この地球のどこにいて、どこを歩いているかなんてすぐわかってしまう。このロマンチックのかけらもない機能を少し呪って、外の音を聞きたかったからイヤホンはしなかった。

 

 

 

水の音、農薬の匂い、点々と立っているコンビニ。

トイレをするためだけにコンビニに寄ったけど、外国人の店員さんがレジでぼーっとしてたならお水とタバコを買ってみた。

 

袋入りますか?なんてことを決して聞かない、めんどくさそうな夜勤のアルバイト。なんでこんな深夜にコンビニ来てるんだよ、うぜーとか思われてそうで、ちょっと悲しかった。

 

 

 

 

少し歩いたら、私となんの関係もない小学校と中学校があった。私のいた中学より校庭が広いなとか、夜の学校での思い出とかが頭を駆け巡って、なんだかセンチメンタル。

 

初めて見たこの学校にも通っている人の分だけの物語があって、人生があって、挫折があって、成功があるなんて。

はー。うぜー。さっきのコンビニの店員くらいうぜー。

 

 

 

 

 

 

もうこの時には完全に酔いが覚めていたので、通常の私だった。通常の私って何?

ここら辺で私はタクシーに乗ろうと思って歩きながら探したけど、全くいない。

さっきまで虫かよってくらいブンブン車が通っていたのに、今度は一台も通らない。

 

こんなもんだよね。なんかさ。本当に欲しい時に欲しいものは来ないんだよ。私は、私の数少ない友達にとって、欲しい時に欲しい言葉を言ってやれるスーパー人間でありたいし、そのスーパー人間になれるように、一歩引いて話を聞いてる。その反動かなんかしらんが、音楽に関するものだけはめちゃくちゃ感情的になるんだけど。

 

誰かの相談は、友達にに肩入れしないように(でもきっとしてるんだけど)って気をつけながら聞いている。

 

 

でも、きっと近い未来、そーゆーAIができる気がする。

欲しい時に欲しい言葉を言えるスーパー人間なんてのは、この世の中にほんと一握りしかいなくて、てか私は今まで出会ったことなくて。

でも私は数少ない友達にとってのそーゆー都合のいい存在でいたいなと思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とかを考えていたら、見慣れた景色が見えてきて、なんだかちょっと安心してから、私不安だったんだって気がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終電逃しの深夜徘徊。

たまには、音楽ない夜もありだな。

 

 

 

 

 

 

 

なな