突き刺すような冷たい視線
喉を枯らしても、大きい声を出しても届かないフロアとステージの距離
私たちの出番になるたびに減っていく客と
ぴくりとも動かない対バンの奴ら
ライブが終わって楽屋に帰れば
みんなで談笑している
機材を片したいのに、邪魔だから片せない
ちょっとむかついたから
「お疲れ様です」は無視した
でも、私以外のメンバーはちゃんと言葉を返す
これがバンドのいいところ
私がダメでも、メンバーがしっかりしてくれるので、私はいつまでも気に入らない対バン相手に悪態をつけるんだ
最近、東京でやるライブがつまらない
なんでだろうか。東京だからで片付けたくないけど、東京にいる「自称・音楽好き」とか「ライブハウス通ってます」って奴らは、音楽もライブハウスも好きじゃないんだろうなと感じる
まあ別にどうでもいいが。
東京に生まれて、東京で音楽やってる以上
私はこの空っぽな街で歌っていくしかないのだから。
ステージに立っていると、フロアがよく見える
教壇にいた先生が隠れてスマホをいじってた私を毎回当ててた理由が24歳にしてなんとなく理解できた
全員
つまんなそうだ。
まあ、私もきっとつまんなそうな顔をしてるんだろう。実際つまんないし。
でも、私は壁に寄りかかって対バン見るなんて失礼なことはしないけどね。
1曲は必ず最前で見ている
その後、どうするか決める
自由なライブハウスで、自由に音楽を楽しむ
だから私たちの出番の時にタバコを吸いにどっかいこうが、クソつまんなそうな視線で見てようが、乗らせられなかった私が悪い
自信無くしちゃうな
私の音楽は本当に合ってるのかな
相性悪いような音楽を恨むのは、燃費も容量も悪いのは承知しておりますが
あまりにも東京という街は私たちに冷たい
あーあ。音楽つまんないなあ
こんなに好きなのに、つまらないなあ。